会議の議事録作り、誰もが面倒に感じたことがあるはずです。「話に集中したいのにメモ取らないと」「後で誰が何を言ったか思い出せない」「議事録作るのに時間がかかりすぎる」——そんな悩みを一気に解決してくれるのが、Google Meetに搭載されたAI議事録機能「Take Notes for Me(私にメモをとらせて)」です。
2026年4月にアメリカ・ラスベガスで開催されたGoogle Cloud Next 2026において、Googleはこの機能に画期的なアップデートを発表しました。それまではオンラインのGoogle Meet会議でのみ使えたこの機能が、対面会議(顔を合わせた会議)でも使えるようになったのです。さらに、ライバルサービスであるMicrosoft TeamsやZoomの会議でも利用可能になりました。
本記事では、プログラミングや技術の知識が全くない方向けに、この便利な機能を何であるのかから、どうやって使うのか、どんな場面で役立つのかまで、具体的な例とともにわかりやすく解説します。

「Take Notes for Me」とは?5分でわかる基本
AIが代わりに議事録を作ってくれる機能
「Take Notes for Me」とは、簡単に言うと会議中の発言内容をAIが聞き取り、自動で議事録を作成してくれる機能です。
これまでの会議の流れはこんな感じでした:
会議に参加する → 自分でメモを取る → 聞き逃す → 後で議事録を整理する → 時間がかかる
「Take Notes for Me」を使うとこう変わります:
会議に参加する → AIが自動で記録 → 議事録がDocsにできる → 確認するだけ
つまり、「議事録作成」という手間から解放されるのです。人間がやるべきは、会議の内容 itself に集中することだけになります。
GeminiというAIが裏で動いている
この機能を支えているのは、Googleが開発したAI「Gemini(ジェミニ)」です。Geminiはテキストだけでなく、音声も理解できる優秀なAIで、複数人が話している会議でも、誰が何を言ったかを正確に聞き分けます。
2024年に最初にリリースされて以来、この機能の利用は急速に伸びており、直近1ヶ月で1億1,000万人以上の参加者が利用し、前年比8.5倍の成長を記録しています(9to5Google報告)。これは、多くの人々がすでに日常的にこの機能に頼っていることを示しています。
2026年の大アップデート:3つの大きな変化
Google Cloud Next 2026で発表されたアップデートは、この機能の使い方を根本から変えるものです。具体的には以下の3つの大きな変更があります。
変化1:対面会議(オフライン)でも使えるように
これまで「Take Notes for Me」は、Google Meet上で行われるオンライン会議でのみ利用可能でした。しかし、2026年のアップデートにより、同じ部屋に集まる対面会議でも使えるようになりました。
やり方は驚くほどシンプルです。スマホのGoogle MeetアプリまたはPCのブラウザからGoogle Meetを開き、「Take Notes for Me」ボタンをタップするだけ。AIがその場の会話を聞き取り、リアルタイムで文字起こしと要約を行います。
これによって、以下のようなシーンで議事録作成から解放されます:
- 会議室でのチームミーティング:プロジェクターを使った定例会議
- カフェでの打ち合わせ:少人数の非公式な話し合い
- 現場での指示伝達:工場や建設現場での簡易ミーティング
- 講演会やセミナー:スピーチ内容の記録
変化2:ZoomやTeamsの会議でも使えるように
これが最も革新的な変更かもしれません。Google Meetの機能でありながら、競合プラットフォームであるMicrosoft TeamsやZoomの会議でも利用できるようになったのです。
具体的な手順は以下の通りです:
- TeamsまたはZoomで会議を開始する
- 別途Google Meetアプリ(またはWeb)を開く
- 「Take Notes for Me」を起動する
- AIが会議の音声を聞き取り、議事録を作成する
これにより、会社でTeamsを使っていても、取引先がZoomを使っていても、すべての会議で同じAI議事録ツールを使い回せるようになります。ツールごとに異なる議事録機能を覚える必要がなくなったのです。
変化3:出力がさらに充実
アップデートにより、AIが生成する議事録の内容もより充実しました。具体的には以下の3つの要素がGoogle Docsに自動生成されます:
| 出力内容 | 説明 | 活用例 |
|---|---|---|
| 文字起こし(トランスクリプト) | 会議の発言内容をそのままテキスト化 | 発言の正確な確認、検索 |
| 会議サマリー | 会議全体の要点をまとめた要約 | 欠席者への共有、自分用の振り返り |
| アクションアイテム | 「誰がいつまでに何をするか」のリスト | タスク管理、進捗追跡 |
他の議事録ツールとの比較:どれを選ぶ?
市場には議事録作成を支援するツールがいくつもあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 項目 | Google Meet Take Notes for Me | Microsoft Teams Premium | Zoom AI Companion | Otter.ai |
|---|---|---|---|---|
| 価格 | Workspace契約に含まれる(無料〜) | Teams Premium必要(有料) | 有料プランに含まれる | 無料版あり/月額制 |
| 対応言語 | 多言語(日本語対応) | 主に英語、一部日本語 | 多言語対応 | 主に英語、日本語限定的 |
| 対面会議対応 | ✅ 2026年4月より対応 | ❌ 対応なし | ❌ 対応なし | ✅ 対応あり |
| 他プラットフォーム対応 | ✅ Zoom/Teamsでも使用可 | ❌ Teamsのみ | ❌ Zoomのみ | ⚠️ 一部対応 |
| 出力形式 | Google Docs自動生成 | Word/SharePoint | Zoom内表示 | 独自フォーマット |
| AIエンジン | Gemini | Copilot | Zoom AI | 独自AI |
| アクションアイテム抽出 | ✅ 自動抽出 | ✅ 対応 | ✅ 対応 | ✅ 対応 |
| セキュリティ | Google Cloud基盤 | Microsoft 365基盤 | Zoom基盤 | クラウド基盤 |
| 向いている人 | Google Workspaceユーザー | Microsoft365企業ユーザー | Zoom重度利用者 | 個人/小規模チーム |
比較から見える結論
もし貴方がすでにGoogle Workspace(GmailやGoogleカレンダーなど)を利用しているのであれば、追加費用をかけずに「Take Notes for Me」を試すのが第一歩として最適です。特に2026年のアップデートで対面会議と他プラットフォームにも対応したことで、汎用性の面で他社製品を凌駕しています。
一方で、会社でMicrosoft製品が標準ならTeams Premiumを、Zoom中心ならZoom AI Companionを検討する価値があります。
実際の使い方:ステップバイステップガイド
ここからは、実際に「Take Notes for Me」を使うための手順を、初心者の方にもわかるように画像付きで説明します。
ステップ1:Googleアカウントを準備する
まずはGoogleアカウントが必要です。 Gmailを持っているなら、すでにGoogleアカウントを持っています。持っていない場合は、Googleアカウント作成ページから無料で作成できます。
ステップ2:Google Meetにアクセスする
以下のいずれかの方法でGoogle Meetを開きます:
- PCの場合:ブラウザで meet.google.com にアクセス
- スマホの場合:Google Meetアプリをダウンロード(App StoreまたはGoogle Play Storeで「Google Meet」を検索)
ステップ3:「Take Notes for Me」を起動する
Google Meetを開いたら、以下の手順でAI議事録を開始します:
- 画面上部または下部にある「Take Notes for Me」ボタンを探す
- ボタンをクリック(またはタップ)する
- AIが録音を開始すると、画面にインジケーターが表示される
- 会議を通常通り進める
対面会議の場合:スマホを会議テーブルの中央に置くか、PCのマイクが会話を拾える位置に置いてください。AIが周囲の音声を認識し、自動で文字起こしを開始します。
Zoom/Teamsの場合:該当するプラットフォームで会議を開始した状態で、別途Google Meetを開いて「Take Notes for Me」を起動してください。PCのマイクが両方の会議音声を拾えるように配置することがポイントです。
ステップ4:議事録を確認する
会議終了後、AIが自動的に以下のものをGoogle Docsに保存します:
- 会議の文字起こし全文:誰が何时に何を言ったか
- サマリー:会議の重要ポイント
- ToDoリスト:決定事項と担当者
Googleドライブから直接Docsファイルを開いて、内容を確認・編集できます。また、会議の参加者にリンクを共有することも可能です。
どんな人におすすめ?5つの活用シーン
シーン1:議事録担当になったくない人
「今週の議事録は君に任せる」——この言葉に毎回ため息をついている方に最適です。AIが全部やってくれるので、議事録作成のローテーションから解放されます。
シーン2:リモートワーク・ハイブリッド勤務者
自宅とオフィスを行き来する方にとって、全ての会議形式(オンライン・対面・ハイブリッド)で同じ品質の議事録が得られるのは大きなメリットです。
シーン3:複数の会議ツールを使い分けている人
取引先AとはZoom、社内ではTeams、緊急時はGoogle Meet——といったにツールを使い分けている場合、一つのツールで全ての議事録を統合管理できるのは非常に便利です。
シーン4:聴覚に不安がある方
音声をテキスト化する機能は、聴覚に難のある方や、騒がしい環境で会議に参加しなければならない方にとってもアクセシビリティ向上ツールとして役立ちます。
シーン5:会議内容を後で見直したい学生・研究者
講義やゼミ、研究打ち合わせの内容を正確に記録しておきたい学生や研究者にとっても、復習用の高精度な記録として活用できます。
注意点とプライバシーについて
便利な機能ですが、使う前に知っておくべき注意点もあります。
データはどこに保存される?
「Take Notes for Me」で作成された議事録は、Googleドライブ内のGoogle Docsとして保存されます。つまり、Googleドライブのセキュリティ設定と同じレベルで保護されることになります。
企業利用の場合、IT管理者が保存場所や保持ポリシーを設定できるため、会社の情報管理ルールに従って運用できます。
他者の同意について
会議に参加している他の人々の発言を録音・文字起こしすることになるため、事前に参加者への同意を得ることが推奨されます。特に外部の方がいる場合は、「AIで議事録を作成してもいいでしょうか?」と一声かけるのがマナーです。
音質の影響
AIによる音声認識は、周囲の環境音やマイクの性能に影響を受けます。静かな環境でクリアな音声を拾えるように、以下の点に注意してください:
- 騒音の少ない場所を選ぶ
- スマホの場合、マイクを上向きにする
- 複数人の発言者が分散して座る
- エアコンや換気扇の近くを避ける
この機能が示すAIの未来
「Take Notes for Me」が特別な理由
単なる「文字起こしツール」は数多く存在します。しかし、Googleのアプローチが特別なのは、AIを単一のアプリケーションに閉じ込めず、あらゆる会議シーンに横断的に展開しようとしている点です(MSNの報道による分析)。
対面会議でも、Zoomでも、Teamsでも——プラットフォームに関係なく、同じGemini AIが議事録を作成する。これは、Googleが「Geminiをすべての仕事の背景AIにする」という戦略を鮮明に示しています。
市場への影響
この動きは、議事録AI市場に大きな影響を与えます。Otter.aiやFireflies.aiのような専用スタートアップだけでなく、Microsoft(Copilot)やZoom(AI Companion)といったプラットフォーム巨人も、「自社プラットフォームの枠を超えた利便性」を求められることになるでしょう。
今後の展望
Google Cloud Next 2026では、今回紹介したMeetの機能以外にも、以下のような関連機能が発表されています:
- Workspace Intelligence:Workspace全体を横断するAIアシスタント
- Google Drive「Projects」:ファイルとメールを一元管理する新機能
- Workspace MCP Server:サードパーティアプリとの連携強化
- Workspace CLI:開発者向けのコマンドラインツール
これらを合わせると、Googleは「会議の準備→実施→議事録作成→タスク追跡」までをAIで一本化する方向に進んでいることが見えてきます。
情報源
- 情報源: https://9to5google.com/2026/04/22/google-workspace-next-2026/
- 情報源: https://www.androidpolice.com/google-meet-can-now-be-your-in-person-note-taker/
- 情報源: https://www.msn.com/en-us/news/technology/google-meet-will-soon-jot-down-notes-for-you-even-if-it-s-an-in-person-meeting/ar-AA21KMsE?ocid=BingNewsVerp
- 情報源: https://www.gadgets360.com/ai/news/google-workspace-ai-updates-gemini-meet-features-11397220
- 情報源: https://workspace.google.com/blog/products/meet/
- 情報源: https://cloud.google.com/blog
- 情報源: https://www.googlecloudevents.com/next-vegas
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