2026年3月17日(現地時間3月16日)、OpenAIはAIコーディングエージェント「Codex CLI」のバージョン0.115.0をリリースしました。今回のアップデートでは、フル解像度画像検査の対応、Python SDKの追加、Smart Approvalsのガーディアンサブエージェント対応など、開発者にとって嬉しい機能強化が多数含まれています。
主な新機能・変更点
1. フル解像度画像検査対応(view_image, codex.emitImage)
対応するモデルにおいて、view_imageツールとcodex.emitImage(..., detail: "original")を通じてフル解像度の画像検査が可能になりました。これにより、精密な視覚タスク(UIデザインの確認、画像内のテキスト認識、図表の分析など)でより正確な結果が期待できます。従来は圧縮された低解像度画像のみでしたが、今回のアップデートでオリジナル品質の画像を扱えるようになったことは大きな進歩です。
2. js_replでのcodex.cwd/codex.homeDir公開
JavaScript/TypeScriptの対話型実行環境であるjs_replにおいて、codex.cwd(カレントワーキングディレクトリ)とcodex.homeDir(ホームディレクトリ)が公開されました。また、保存されたcodex.tool(...)やcodex.emitImage(...)の参照がセル間で継続して動作するようになりました。
これにより、複数のセルにまたがる作業でもコンテキストを維持しながら、よりスムーズなスクリプト開発が可能になります。ファイルパス操作やディレクトリ移動を伴う自動化スクリプトの作成が容易になるでしょう。
3. リアルタイムWebSocketセッションのトランスクリプションモード
リアルタイムWebSocketセッションに専用のトランスクリプションモードが追加されました。また、v2ハンドオフサポートがcodexツールを通じて提供され、統一された[realtime]セッション設定が可能になっています。
この機能により、音声ベースのリアルタイム対話セッションでの文字起こしが効率化され、後からセッション内容を確認・検索できるようになります。音声コマンドでのコーディングやペアプログラミングの記録に活用できるでしょう。
4. v2 app-serverのPython SDK追加
v2 app-serverがファイルシステムRPC(読み込み、書き込み、コピー、ディレクトリ操作、パス監視)を公開し、それらのAPIと連携するための新しいPython SDKが追加されました。
これにより、PythonプロジェクトからCodexのファイル操作機能を直接呼び出せるようになります。Pythonベースの自動化ツールやCI/CDパイプラインへの統合が容易になり、より幅広い開発環境でCodexを活用できるようになります。
5. Smart Approvalsのガーディアンサブエージェント対応
Smart Approvals(承認フローの自動化機能)が、コア、app-server、TUI(Terminal User Interface)全体でガーディアンサブエージェントを通じてレビューリクエストをルーティングできるようになりました。
これにより、後続の承認リクエストにおける設定作業の繰り返しが削減されます。複数のツールやコマンドに対する承認を一元管理できるため、セキュリティを維持しながら作業効率を大幅に向上させることができます。
6. サブエージェントのサンドボックス継承改善
起動されたサブエージェントが、サンドボックスとネットワークルールをより確実に継承するようになりました。これには以下が含まれます:
- プロジェクトプロファイルのレイヤリング
- 永続化されたホスト承認
- シンボリックリンクされた書き込み可能ルート
これにより、サブエージェントを活用した複雑なタスクでも、セキュリティポリシーの一貫性が保証されます。親エージェントの設定が適切に引き継がれるため、予期しない権限昇格やセキュリティ侵害のリスクが低減します。
その他の新機能
- アプリ統合がResponses APIのツール検索フローを使用するようになり、不足しているツールの提案や、アクティブなモデルが検索ベースのルックアップをサポートしていない場合のグレースフルなフォールバックが可能に
- BubblewrapがLinuxサンドボックスのデフォルトに
- カスタムCA認証局のサポートがログインフローに追加
ユーザーへの影響(何が嬉しいか)
今回のアップデートは、特に以下の点でユーザー体験が向上します:
画像解析の精度向上
フル解像度画像検査の対応により、UIデザインのレビューや画像内の細かい文字の認識など、これまで難しかった視覚タスクがより正確に処理できるようになります。特にフロントエンド開発やデザイン作業において、Codexの活用範囲が広がります。
Python開発者への恩恵
Python SDKの追加により、Pythonプロジェクトから直接Codexの機能を呼び出せるようになりました。これまでJavaScript/TypeScriptが中心だったCodexのエコシステムに、Pythonが正式に加わったことは大きな意味を持ちます。
セキュリティと利便性の両立
Smart Approvalsのガーディアンサブエージェント対応とサンドボックス継承の改善により、セキュリティを犠牲にすることなく作業効率を向上させることができます。特にチーム開発において、承認フローの標準化と自動化が進みます。
リアルタイム対話の利便性向上
トランスクリプションモードにより、音声ベースのリアルタイムセッションの内容をテキストとして保存・検索できるようになります。ペアプログラミングやコードレビューの記録として活用できるでしょう。
注意点・破壊的変更
今回のアップデートにおける主な注意点は以下の通りです:
- サブエージェント待機ツールの名称変更:
waitツールがwait_agentに名称変更されました。spawn_agentやsend_inputとの整合性を取るための変更です。既存のスクリプトでwaitを使用している場合は更新が必要です。 - Linuxサンドボックスのデフォルト変更: BubblewrapがLinuxサンドボックスのデフォルトになりました。従来の設定を使用している場合は、
use_linux_sandbox_bwrapフラグで後方互換性が維持されています。 - 承認ポリシーの名称変更:
reject承認ポリシーがgranularに名称変更されました。設定ファイルでrejectを使用している場合は更新を検討してください。
アップデート方法
Codex CLIはnpmで配布されています。以下のコマンドで最新版にアップデートできます:
npm install -g @openai/codex@latestまたは、既にインストール済みの場合は:
codex updateバージョンを確認するには:
codex --versionまとめ
Codex CLI v0.115.0は、視覚タスクの強化、Python SDKの追加、セキュリティ機能の向上など、開発者にとって魅力的な機能強化が多数含まれるアップデートです。特にフル解像度画像検査の対応は、UI/UXに関わる開発作業において大きな恩恵をもたらすでしょう。
既存ユーザーは、サブエージェント待機ツールの名称変更など、一部の破壊的変更に注意しながら、早めのアップデートを検討することをお勧めします。
リリースノート(英語): https://github.com/openai/codex/releases/tag/rust-v0.115.0


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