OpenClawを使っていて、突然「ファイルを編集できない」「user-instructions.md を書き換えられない」「このセッションではメッセージ送信系ツールしか使えない」と表示されることがあります。
この症状は、OpenClaw自体が壊れたというより、現在のツールプロファイル設定が messaging になっていることで起きるケースがかなり多いです。OpenClaw では tools.profile がベースのツール許可設定になっており、ここで利用可能なツール群が変わります。
結論:編集できない最大の原因は tools.profile: "messaging"
今回のように、会話では返答できるのにファイル編集だけできない場合、設定ファイルのこの部分が原因になっている可能性が高いです。
"tools": {
"profile": "messaging"
}
messaging は名前の通り、メッセージの送受信や会話履歴の確認向けのプロファイルです。
OpenClaw公式では、messaging に含まれるのは group:messaging と sessions_list、sessions_history、sessions_send、session_status などで、ファイル編集向けの group:fs は含まれません。そのため、この設定のままだと「編集ツールが無効」「この環境では直接書き換えできない」といった挙動になりやすいです。
messaging / coding / full の違い
OpenClaw の tools.profile には代表的に messaging、coding、full があります。
違いはとてもシンプルで、どこまでのツールを最初から許可するかです。
messaging
チャット中心のプロファイルです。
メッセージ送信、履歴確認、セッション状態の確認などが中心で、Discord や各種メッセージング用途には向いていますが、ローカルファイル編集には不向きです。
coding
ローカル作業や開発向けのプロファイルです。
公式では group:fs、group:runtime、group:sessions、group:memory、image が含まれており、ファイルの読み書き・編集・実行系の操作を使いたいなら、まずこれが本命です。OpenClaw を "コーディングエージェント" として使いたい人には、基本的にこの設定が合っています。
full
制限なしのプロファイルです。
公式では 「unset と同じで、制限なし」 とされています。つまり、プロファイルによるベース制限をかけない設定です。便利ではありますが、そのぶん広く触れるので、個人ローカル用途以外では慎重に扱うべきです。OpenClaw のセキュリティ文書でも、単一の信頼境界を前提にした個人利用向けの考え方が示されています。
設定ファイルはどこを見ればいい?
OpenClaw は、設定ファイルとして /path/to/openclaw-config.json を読み込みます。
ここに tools.profile が書かれており、現在のツール利用範囲を決めています。もし messaging になっていれば、今回のような「会話はできるけど編集できない」状態の説明がつきます。
たとえば、次のように設定されているなら要注意です。
"tools": {
"profile": "messaging"
}
ファイル編集をしたいなら、まずはこれを coding に変えるのが王道です。
"tools": {
"profile": "coding"
}
この変更で、OpenClaw が使えるツール群にファイル系が含まれるようになります。
実際に編集するファイルはどこ?
「じゃあ何を編集すればいいの?」という点ですが、OpenClaw にはエージェント専用の workspace があり、そこにユーザー編集用のファイルが配置されます。
公式ではデフォルトの workspace は /path/to/openclaw-workspace で、ここがエージェントのホームとして扱われます。ここは /path/to/openclaw-home/ 配下の設定や資格情報保存場所とは別物です。
また、OpenClaw の agent runtime では、workspace 内に以下のようなユーザー編集ファイルが想定されています。
- AGENTS.md … 行動ルールや運用指示
- SOUL.md … 口調、人格、境界、トーン
- TOOLS.md … 環境固有のメモ
- USER.md … ユーザー情報や呼び方
- IDENTITY.md … 名前や雰囲気
- BOOTSTRAP.md … 初回セットアップ用ファイル(通常は初回後に削除)
つまり、今回のように「AIのふるまいを変えたい」「毎回読む指示を追記したい」のであれば、まず触る候補は AGENTS.md や SOUL.md です。
一方で、ローカル環境の補足や固有情報を書きたいなら TOOLS.md が向いています。OpenClaw 公式の TOOLS.md テンプレートでも、SSHホスト名や環境固有メモなどを書く用途が案内されています。
どう対処するのがベスト?
一番おすすめの流れはシンプルです。
- /path/to/openclaw-config.json を開く
- tools.profile が messaging なら coding に変更する
- workspace 配下の AGENTS.md や SOUL.md を編集する
- 必要に応じて OpenClaw を再起動する
この流れなら、「会話はできるのに編集だけできない」という状態から抜けやすくなります。OpenClaw は workspace を起点にブートストラップし、初回実行時には AGENTS.md や USER.md などを自動生成する仕組みもあります。
じゃあ full にしたほうがいいの?
結論から言うと、普段使いなら coding で十分なことが多いです。
full は便利ですが、ベース制限がなくなるため、意図しない広い操作範囲を持たせやすくなります。個人ローカル専用で自分しか触らない環境なら選択肢になりますが、外部チャネルとつないでいるなら慎重に扱ったほうがよいでしょう。
まとめ
OpenClaw が急に編集できなくなったときは、まず「壊れた」と考えるより、tools.profile が messaging になっていないか確認するのが近道です。
messaging は会話向け、coding はファイル編集・実行向け、full は制限なし。この違いを理解しておくと、原因の切り分けがかなり楽になります。設定ファイルは /path/to/openclaw-config.json、実際の指示ファイルは /path/to/openclaw-workspace 配下の AGENTS.md や SOUL.md を見る、という流れを覚えておけば、今後も対応しやすいはずです。


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